COLUMN
お役立ちコラム
2024/12/11
【2025年度法改正/省エネ適判】省エネ基準適合義務化 住宅の省エネ計算は、どの方法を使えば良い?
いよいよ2025年4月より『省エネ基準適合義務化』が施行されます。
今までは『建築主への説明義務』となっていました規模の建築物も、いよいよ何らかの計算を行い、省エネ基準適合確認(省エネ適合性判定:省エネ適判と略します)等を行って行政へ申請しなくてはならなくなります。
果たしてどうすればいいのか、国の資料が複雑だけどどうすればいいのか、と悩まれる方が多いと思いますので、
整理できるようなコラムを発信していきます。
- 目次
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- 1.省エネ適合性判定(省エネ適判)・完了検査による、工事や各種業務への影響あり
- 2.法改正施行後の『省エネ』対応ルート
- 2-1.◆前提として◆ 省エネ基準適合義務は『義務』共通
- 2-2.(1) 平屋かつ200㎡以下の住宅・非住宅
- 2-3.(2) 2階建もしくは200㎡超 かつ、『仕様基準』にて適合
- 2-4.(3) 定められた期日までに、長期優良住宅使用構造等の確認書(もしくは設計住宅性能評価書)を確認申請へ提出
- 2-5.(4) 上記に該当しない場合(省エネ計算を行い、省エネ適判申請を行う)
- 3.建築確認の完了検査にて、『省エネ』もチェックされます!
- 3-1.省エネの完了検査 ~注意点~
- 3-2.さらに詳しく知りたい方は・・・
- 4.まとめ ~住宅:計算をすべきか否か~
省エネ適合性判定(省エネ適判)・完了検査による、工事や各種業務への影響あり
法改正施行後の『省エネ』対応ルート
◆前提として◆ 省エネ基準適合義務は『義務』共通
2025年4月以降に着工の全ての建築物(例外※を除く)にて、省エネ基準の適合が義務付けとなります。
このコラムでは、省エネに関する審査の省略についてこの後お伝えしていきますが、
義務であることには変わりがない為、提出対象外の際も必ず省エネ基準適合の確認を行っておく必要がございます。
※義務化対象外(適用除外)のケース
10㎡以下の新築・増改築、無居室又は高い開放性を有することにより空調設備不要、
歴史的建造物、仮設建築物 等
増築或いは改築も対象になるため注意が必要です!
改築は、洋室2部屋を和室1部屋にするといった、部分的に間取りを変えるようなことを指します。
クロス張り替え等は該当しません。
(1) 平屋かつ200㎡以下の住宅・非住宅
平屋かつ200㎡以下(※)の規模の建築物については、省エネの審査・現場検査が省略となります。
上述より、義務化対象ではあるため、適合確認を行い、図書保存をしておくことを推奨いたします。
※都市計画区域内等では、建築士による設計・工事監理を行っていること
(2) 2階建もしくは200㎡超 かつ、『仕様基準』にて適合
2階建もしくは、平屋で延床面積200㎡超の建築物は、省エネの審査対象となります。
住宅の場合、仕様基準に適合の際は『確認申請に省エネ適合が確認できる仕様基準の書類を提出』することにより、省エネ適合性判定が不要となります。
しかし、建築確認の完了検査にて、『省エネの仕様』もチェックされますので、断熱材や給湯ヘッダーなどの隠ぺい部の写真撮影等の準備が必要となります。
(3) 定められた期日までに、長期優良住宅使用構造等の確認書(もしくは設計住宅性能評価書)を確認申請へ提出
長期優良住宅確認書・設計住宅性能評価書を、
定められた期日(※)までに確認申請先の機関へ提出が出来る際、省エネ適合性判定を省略することが出来ます。
(建築確認の完了検査にて、省エネ部分をチェックされます)
もし間に合わない際は、省エネ適合性判定が必要となります。(長期や性能評価と審査内容が重複しますので、同一機関にて同時審査を行うことを推奨します)
※確認審査の末日の3日前まで
(4) 上記に該当しない場合(省エネ計算を行い、省エネ適判申請を行う)
省エネ適合性判定の対象となります。
建築確認と同じ機関に提出することも、別の機関に提出することも可能です。
別の機関にて取得の際は、適合性判定通知書を建築確認の機関への提出が必要です。
(申請代理者は、建築士もしくは行政書士の資格者に限られます)
※住宅・非住宅とも計算をかけないといけない他、
提出書類などが仕様基準の際より増えると思われますので、前もって準備をしておくことを推奨します。
(画像引用元 (一社)住宅性能評価・表示協会 申請補助ツール(各種計算書)
住宅の外皮平均熱貫流率及び平均日射熱取得率(冷房期・暖房期)計算書 木造戸建ver2.4
https://www2.hyoukakyoukai.or.jp/seminar/gaihi/keisansheet/
建築確認の完了検査にて、『省エネ』もチェックされます!
省エネの完了検査 ~注意点~
平屋かつ200㎡以下の建築物(例外を除く)の、義務付対象となる全ての建築物にて、
建築確認の完了検査にて『省エネ仕様』がチェックされるようになります。
省エネ基準自体は問題なく達成出来うる基準ですが、ご提出頂く書類が増えること、段取りをしないといけないことに注意が必要です。
省エネ基準工事監理報告書のご提出の他、省エネ計算に係る仕様の『納入仕様書』『施工記録書』等を現場に備え付けし、検査員に提示しなくてはなりません。
担当者の方の業務量や負担が確実に増加しますので、それらを含めた業務分担や段取りを準備しておくことが大切でしょう。
(画像引用元 国土交通省 資料ライブラリー 省エネ基準適合義務対象建築物に係る完了検査の手引き)
https://www.mlit.go.jp/common/001500267.pdf (p.123)
さらに詳しく知りたい方は・・・
申請への提出書類のひな形につきましては、国交省のHPへ既に公開されております。
下記(資料ライブラリー)の下のほうに『設計・監理資料集』という資料がございます。
それらに対応方法が綿密に書かれています。
また、当HP(ECOPLUS)の窓口チームへ直接問合せ頂くこともおすすめです。
現時点判明しています国からの情報をベースとしたお伝え・アドバイスとなりますが、
何かお役立ちができることがございましたら、ぜひともお力になりたいと考えています。
まとめ ~住宅:計算をすべきか否か~
2025年4月以降に施行となります『省エネ基準適合義務化』の申請フローについて紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか。
住宅ですと、仕様基準にて申請を簡略化することができるということは前述の通りです。
しかし、お施主様の住宅性能に対する感度は日に日に高くなっており、省エネ計算をしない、仕様基準で済ませる、といったことはもう厳しくなっているといえるでしょう。
性能評価や長期、BELS評価書等、お施主様にとって大きな付加価値となる証明書をご取得し、行政への省エネ手続きを合理化される等、適切なフローを見出して頂けたら幸いです。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
※画像引用元 国交省 hyoukasyo_160401.pdf (mlit.go.jp)
【最新】2025年4月からの省エネ基準適合義務化は大丈夫ですか? Vol.1 『住宅編 概要と申請フロー、注意点』
2025年4月1日着工分の建築物に対して『省エネ基準適合義務』が課せられます。
今までは断熱等級等の新設や説明義務など、度々法改正がありましたが、今回は全ての住宅・非住宅に該当するものになります。
当然ながら建築確認~工事にも関わってきますので、当コラムを参考に、しっかり対応方法を整理しておくことが大切でしょう。