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【2025年度法改正対応】改正建築基準法 4号特例廃止(縮小) 構造含む注意点を解説します!

【2025年度法改正対応】改正建築基準法 4号特例廃止(縮小) 構造含む注意点を解説します!

2025年4月の建築基準法改正の施行により、4号特例縮小(廃止)となり、構造検討(壁量計算等)含む多くの項目が事実上審査に復活となります。
また、耐震等級検討にもかかわる、必要壁量・柱の小径の基準も変わる為、作業量・内容とも大きな変化への対応を求められることになるでしょう。
概要と注意点、推奨したいポイントについてお伝えしていきます。

4号特例廃止(縮小)とは?

平屋かつ200㎡以下を除くすべての建築物にて、構造や防火等の審査項目が『復活』

建築確認での審査内容変更のイメージ

(画像引用元:国土交通省 【建築基準法】申請・審査マニュアル(ダイジェスト版)(2024年11月 第3版)https://www.mlit.go.jp/common/001845810.pdf p.3)

木造建築物(住宅含む)では、2階建かつ500㎡以下の規模まで、確認申請にて構造や防火等の多くの項目が審査省略となっていました。

上記の規模の建築物を『4号建築物』と呼び、4号特例として審査省略をしていました。

2025年4月からは審査省略を縮小し、新3号建築物である『平屋かつ200㎡以下(木造・非木造問わず)』以外、構造や防火等の審査が復活することになります。

※新3号建築物においても、建築確認での『その他設備単体規定』等、一部は省略とならないケースもあります。詳しくは国のHPをご確認下さい。

実務での対応はどう変わる?

構造・構造以外 約170項目の『復活』

構造・防火関係・設備その他単体規定等、項目にしますと約170近くの検討が必要になります。

また、基準法ではないですが、建築物省エネ法も同じタイミングで義務化され、省エネ適判等の必要可否によって対応を分ける等、こちらも注意が必要といえるでしょう。

国からは、各物件にて共通使用ができる『仕様表』のご使用を推奨しています。

今まで省略となっていた『壁量計算』『N値計算』なども提出が必要に

壁量計算のイメージ

構造につきましては、今まで省略できていた規模(都市計画区域内等では、建築士による設計・工事監理を行っていること)の際は、壁量計算書などの提出は不要でした。

しかし、新3号を除くすべての建築物にて、壁量計算書などの構造根拠書類の提出が必要になりますので、注意が必要です。

CADソフトにて簡単に壁量計算書などを出力することができますが、審査にて質疑回答に時間を要した際、当然確認済証の交付も遅れ、工事全体の後ろ倒しもあり得る話です。

また、独立基礎・べた基礎の混用の際は、別途構造安全性の確認を行う必要があることや、基準法の細かい規定も確認し、仕様表などに記す必要がある為、一筋縄ではいかないという認識が妥当でしょう。

(画像引用元:国土交通省 【建築基準法】軸組構法の確認申請・審査マニュアル(2024年11月 第3版)p.72)

耐震基準も強化される (※2025年度中は経過措置)

必要壁量基準、柱の小径とも、個別に求めることに

住宅の省エネ性能向上等により、(断熱材や太陽光パネル等によって)重量化が進んでいるという結果が国より出ており、相対的に耐震基準を上げる必要があると発表、国より新基準が設けられました。

従来ですと、基準法令にて、壁量・柱の小径とも簡易的に確認ができました。

しかし、住宅の仕様や大きさ等により、個別に基準値を求めなくてはならなくなり、毎物件追加作業として行わないといけなくなります。

基準値の求め方は複数あり、面倒であればあるほど(細かく求めるほど)同じ仕様でも有利側(低い基準値)になります。

詳しくは、(公財)日本住宅・木材技術センター(下記)をご確認下さい。

実務をされる方にとっては、ブックマークにされることを推奨いたします。

おすすめは耐震検討を外注&耐震等級2以上の検討

自社でCADソフトを回して行うのも手だが、質疑対応が懸念

頭を抱える人のイメージ

既に前述の通り、アーキトレンドなどのCADソフトにて、驚くほど早く構造検討を行うことができます。

しかし、本質を理解していないと建築確認にて山のような質疑が来た時に太刀打ちができなくなるリスクがあります。

プレカット会社などで連携して壁量・N値計算書を頂ける場合は安心ですが、自社でやられる際は注意が必要です。

構造計算までいかなくとも、構造は外注するのが適切

構造計算(許容応力度計算等)をかけることが一番安心ですが、壁量・N値計算をされるケースもまだまだ多いのではないかと思います。

前述の通り、自社で対応すべきか否かは難しい所です。

省エネですとある程度専任1名などで対応できるかもしれませんが、構造は専門性が高い為、外注されるのが適切と思われます。

近年働き方改革もあり、分業化が加速しています。

省エネはA社、構造と確認はB社、・・・など、使い分けることも重要といえるでしょう。

耐震等級2以上の検討≒基準法に比べて多くの適合基準があり安心

耐震等級2や3については、『品確法(住宅性能表示制度)』に基づいています。

建築基準法では仕様規定としてうたわれ、耐震等級2や3では、さらに細かく検討するといった項目がいくつかあります。

耐震等級2以上の検討をされたほうが、基準法に比べて検討項目が多い為、より安心・安全のお家を建てられるといえるでしょう。

確認済証交付がゴールではない! 完了検査、仕様変更なども注意が必要

当然ながら、完了検査での審査もありますので、申請準備量としては増えることになります。

事前に準備・シミュレーションをされておくことを強く推奨します。

また、今まで仕様変更をしても確認申請上手続き不要だった項目が、軽微変更などの対象になる可能性が高くなります。

国として定めている軽微変更の範囲は広く、すぐに確認検査機関より手続き完了するとは限らない為、

余裕をもった段取り、仕様変更が限りなく生じないような建築主との合意が必要でしょう。

まとめ

4号特例縮小について概要をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

国より資料や講習会などの発信がありますが、まだまだ実務上イメージしづらい部分が多いと思います。

2025年4月を迎えて準備をするのではあまりに遅すぎるため、今のうちに国の資料などをご確認頂くことが大切です。

 

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