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【2025最新】ZEH水準以上&耐震等級3取得が推奨される理由とは?

近年のZEH化推進により、「太陽光発電設備」の設置や、断熱材・開口部の高性能化が進んでいる今、比例して固定荷重(建物自体が持つ重さ)が増加していることも忘れてはなりません。住宅の「省エネ化」は今後ますます加速していきます。それを危惧し、2025年4月より、『4号特例』が見直されて、耐震検討方法が改定します。「性能」と「耐震」のバランスがなぜ重要なのか。性能上げたいけれど耐震は...の時代ではなく、標準で「性能」や「耐震」のセットで考える事をお勧めします!
- 目次
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- 1.※2025年4月~義務化されるのは耐震等級1相当
- 2.※耐震等級の証明書は
- 3.省エネ性能は最低でも『ZEH水準』以上を意識!
- 4.『ZEH水準』は、いまや各補助金事業の必須条件に
- 5.住宅の高性能化=固定荷重・積載荷重の重量化 「性能」と「耐震」のバランスが重要に
- 6.『耐震等級3』の取得をおすすめします
- 6-1.『新耐震基準』『現行耐震基準』は現在の「耐震等級1」である
- 6-2.地震被災地における『耐震等級3』取得住宅
- 6-3.「耐震等級1は1度だけ地震から守る」・・・認識の違いに注意!
- 6-4.地震保険料50%割引が適用できる
- 7.耐震等級の計算方法
- 7-1.「許容応力度計算」による「耐震検討」が一番『安全性が確保』されている
- 8.まとめ
※2025年4月~義務化されるのは耐震等級1相当
長期優良住宅での耐震等級3(2025年4月~新基準では耐震等級2以上)が基準となっており、法改正等も含め紛らわしくなっています。
2025年4月以降の『4号特例縮小』施行では、現行の基準法相当(新基準。旧基準は2025年度中のみ使用可能)が義務化されます。
▼そちらについて気になる方は、下記コラムを参考にして頂けたら幸いです。

【2025】4号特例縮小とは?確認申請や構造計算での注意点等、わかりやすく解説。
2025年4月の建築基準法改正の施行により、4号特例縮小(廃止)となり、構造検討(壁量計算等)含む多くの項目が事実上審査に復活となります。
また、耐震等級検討にもかかわる、必要壁量・柱の小径の基準も変わる為、作業量・内容とも大きな変化への対応を求められることになるでしょう。
概要と注意点、推奨したいポイントについてお伝えしていきます。
※耐震等級の証明書は
耐震等級の証明書には『設計住宅性能評価』『長期優良住宅認定』がおすすめです。
設計性能評価は、後からでも取得が出来ます。(引渡し前かつ竣工後1年以内に限る)
▼詳説しましたコラムもぜひご参考になれましたら幸いです。

耐震等級2-3の証明書とは?改正建築基準法の耐震基準との違い含め解説。
2024年には能登地震もあり、住宅の耐震性に対する関心が高まっています。
さらに、2025年4月からの『4号特例縮小』により、平屋かつ200㎡以下以外の全ての建築物にて『構造審査』となり、耐震基準に適合していないと家が建たなくなります。
基準法レベルと、耐震等級との違いや証明書、検討方法についてわかりやすく解説していきます。
省エネ性能は最低でも『ZEH水準』以上を意識!

2025年度には「断熱性能等級4」・「一次エネ消費量等級4」の適合義務化を控えておりますが、先進国では最低クラスの位置付けなのは変わりありません。そしてすぐ約5年度の2030年には「ZEH水準」が義務化される予定としてロードマップに掲げられていることから、住宅性能がある程度一定の水準を求められます。最低基準の家では、数年後、資産価値は大きく下がってしまうことが想定できます。今のうちから最低でも「ZEH」「ZEH水準」の住宅を建てられることをおすすめします。


【BELS表示は可能?】断熱等級・一次エネルギー消費量等級はご存知ですか?概要と計算方法をチェック
『断熱等級6相当』『等級7相当』などという住宅が増えてきているようですが、この等級についてどういったものかご存知でしょうか。
性能評価の他、断熱等級はBELS評価書にて表示されることができるようになり、BELSの価値が上がってきています。
断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級、そして仕様基準と標準計算など、等級を取得するための概要についてまとめていきます。
『BELS評価書』『長期優良住宅』などの紹介もしていきます。
『ZEH水準』は、いまや各補助金事業の必須条件に
現在、新築住宅の補助金事業では性能値は最低でも『ZEH水準』にする必要があります。2024年度の補助金事業ではさらに上位の断熱性能等級に対して加算等、追加援助の措置も講じられていました。このことからも、国の推奨する方向性が見えるのではないでしょうか。補助金事業に関するコラムも今後、掲載してまいりますのでご参照ください(2025年度補助金情報にて更新予定)
住宅の高性能化=固定荷重・積載荷重の重量化 「性能」と「耐震」のバランスが重要に

引用:国土交通省「小規模木造建築物等の構造安全性に係る最近の傾向」より
住宅の省エネ化が進めば進むほど(「太陽光の設置」「断熱材の強化」「開口部の高性能化」など)、それらが要因となり建物が重くなっていきます。建物が重くなるとどうなるか。なんとなくイメージできるかと思いますが、地震による影響を強く受けてしまいます。その為、高性能で住環境の快適性だけを求めていき、耐震要件をしっかりと考えない場合、倒壊の危険や、半壊・損壊により住めない、解体を余儀なくされる。こういったリスクがどんどん高まってしまいます。住宅の省エネ性能を高めれば高めるほどに、耐震性の重要度は上がるということです。

ZEH以上の省エネ性能を目指そう!
2025年に省エネ基準適合義務化となり、2030年までにZEH(水準)に引き上げられようとしています。
数年前まではZEHが補助金対象でしたが、もうZEHが当たり前、ZEH以上を目指す住宅会社が増えていることはおわかりかと思います。
ZEH以上の性能を目指す上で、どういったグレードがあるのか、どういう所を工夫していけば良いのかについて、お伝えしていきます。
『耐震等級3』の取得をおすすめします
では実際に「耐震性」はどこまで検討した方が良いのか。結論からお伝えしますと、『耐震等級3』を取得されることをおすすめします。ここからはおすすめする理由についてまとめていこうと思います。
『新耐震基準』『現行耐震基準』は現在の「耐震等級1」である

参照:株式会社M's構造設計 構造塾2023「難しい構造の【伝え方】」より
現在「耐震等級1」となっている基準は『新耐震基準』『現行耐震基準』と呼ばれる計算方法で、それぞれ43年前、24年前に制定された計算。そこから現在までで基準はアップデートされていない…。
地震被災地における『耐震等級3』取得住宅

※『悉皆(しっかい)調査』・・・調査対象物件をもれなく調査すること
※出展:国の熊本地震における建築物の被害の原因分析を行う委員会 報告書より
※出展:建築学会によって実施された益城町中心部における悉皆調査より
※参考資料:ヤマベの木構造 著者:山辺豊彦
熊本地震(2016年4月14日発生)では、4/14と4/16にそれぞれ震度7の地震が発生しました。調査結果からわかる通り、『耐震等級3』の住宅は2度の大きな揺れに耐えていたことが立証されております。たとえ倒壊しなくとも、損壊により住めなくなるケースもあります。高性能になればなるほど家は重くなっていきますので、特に耐震等級の検討を推奨します。
「耐震等級1は1度だけ地震から守る」・・・認識の違いに注意!

参照:株式会社M's構造設計 構造塾2023「難しい構造の【伝え方】」より
『新耐震基準』『現行耐震基準』の「耐震等級1」は”1度の震度6~7クラスの大地震から、あくまでも住む方の「命を守る」こと”を基準としているため、仮に2度の大地震が発生するケースまでは保証できないため、倒壊するリスクは格段に上がる他、1度目の大地震で大破(全壊)・大破(全壊)まではいかずとも、損壊が大きく『住めない』状況になる。というリスクがとても高いということです。さて、建築基準法の「安全基準」と、住まい手が考える「安全基準」を比較して考えた時、住まい手の皆様が思い浮かべた「安全な生活」というのは“『耐震等級3』の住宅 ”ではないでしょうか?
震度6以上の地震はここ10年程前から遡っただけでも30回以上起きている現実
耐震基準において「震度6強以上の地震は100年程度に1度おきる」と耐震基準上は定められています。ですが現実はどうでしょうか。気象庁の震度ベータベースによると、2011年の”東日本大震災”から2024年8月に起きた”日向灘地震”までの13年間で『震度6弱~7』の大地震は33回(内、震度6強~7は15回)も発生しています。更に”日向灘地震”では2019年に運用を開始以来初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されています。
地震保険料50%割引が適用できる
『耐震等級3』を取得することによって、地震保険料が50%割引となります。仮に35年間地震保険を継続するとなると、割引額の総額は大きな恩恵をうけることとなるでしょう。逆に考えると、割引制度が設けられているくらいに『耐震等級3』はあくまでも努力義務・推奨等級であって、そこまでは考えなくても問題ないのが現状です。
「保険をかけても地震に被災しなかったら意味がない」といったご意見もあるでしょう。これは、自動車保険や健康保険も同様ですね。あくまでも『事故にあわなかったら~』『病気にならなかったら~』というのが前提の話です。『「地震も事故も病気」も無いことに越したことはありません。』ただ、何も保証できるものはないことも事実です。いくら自身が気を付けていても、起こりえる可能性を「0」にすることはできません。保険料を払うメリットデメリットは自分自身がその保険料を「投資」とみるか「浪費」とみるかの捉え方だと思います。
地震保険のお話に戻りますが、誰の意見でもなく、自身に問いかけてみてください。
何かが起きた時に「命」や「生活」を守る事を考えてみた時に『耐震等級3』『地震保険』をどう見るか。です。
※注意※『耐震等級3相当』では地震保険の割引適用外!
『耐震等級3』に似た用語で『耐震等級3相当』という用語を聞く方もいるかもしれません。この『耐震等級3相当』は『耐震等級3』とは大きく違います。『耐震等級3相当』も実際に耐震等級3仕様で構造の計算はしています。では何が違うのか。それは「住宅性能評価機関」への申請を行っていない点です。
『耐震等級3』 ・・・構造計算を「住宅性能評価機関」へ提出し、評価をいただいた物件
『耐震等級3相当』・・・耐震等級3の構造計算はするが、「住宅性能評価機関」に提出していない物件
おなじ耐震等級を行った物件であっても、後者の場合は『地震保険料50%割引』の恩恵を受けられません。『耐震等級3』を取得する際は、併せて「住宅性能評価機関」への評価も忘れずにうけていただくことをおすすめします。
※長期優良住宅の場合は、認定申請を行う際に「耐震要件」の評価をするため、「長期認定通知書」がそのまま耐震等級の証明書になります。
※認定低炭素住宅やZEH水準(ZEH含む)の場合は、「耐震要件」の審査がありません。その為、別で「設計住宅性能評価」や「建設住宅性能評価」にて「耐震等級」を評価する必要がございます。
耐震等級の計算方法

参考資料:㈱M's構造設計 『構造塾チャンネル2023開校直前セミナー』より
「許容応力度計算」による「耐震検討」が一番『安全性が確保』されている
耐震等級の取得方法は大きく3つの計算方法がありますが、検討する項目ごとに差があり、一番『安全性を確保する』計算方法が『許容応力度計算』になります。詳細は別コラムにて掲載しておりますので、併せてご覧ください。
まとめ
住宅の性能における「省エネ検討」は省エネ基準ではなく最低でも「ZEH基準」へ、併せて構造計算は「耐震等級3」の取得へ。構造計算に絡む「性能評価機関」への申請手数料含め、設計費用が増えてしまう部分はございますが、設計・構造面のコストアップというのはあくまでも「耐震等級1」を基準としたときの「耐震等級3」との差額。耐震はどこを基準とするのか。住まい手の皆様が考える「安全性を守れる可能性が高い基準」というのは「耐震等級1」よりも「耐震等級3」ではないでしょうか。近年では「耐震等級3」が標準仕様とする工務店も増えてきています。『「許容応力度計算」による「耐震等級3」の取得』や『「耐震等級3」を第三者評価で取得しているかどうか』なども重要になります。とはいえ、地震がこないことに越したことはないですね。