COLUMN
お役立ちコラム
2024/11/13
【2024年版】フラット35(S) 適合証明書の取得方法 & 『つなぎ融資への提出』注意点をわかりやすく解説します。
変動型住宅ローンが借りられない建築主の方や、将来の金利上昇に備えて検討される方向けに、『フラット35』という固定金利ローンがございます。
フラット独自の技術基準や証明書取得があり、なかなかフラットを使わずどう取得していいかわからない、準備するのが大変そう、という方向けに、具体的な取得方法と注意点をお伝えしていきます。
- 目次
-
- 1.フラット35では『適合証明書』が必要? 技術基準とは?
- 1-1.評価機関等にて検査に合格して初めて、フラット融資実行が可能
- 1-2.フラットの技術基準
- 1-3.フラット35『S』に求められる基準とは
- 2.適合証明書取得までの流れ
- 2-1.(1)図面段階にて、技術基準に沿った仕様決め、省エネ仕様検討を進める
- 2-2.(2)評価機関へ『設計検査申請』
- 2-3.(3)設計検査に合格し、『設計検査通知書』が交付→中間検査の予約が可能に
- 2-4.(4)竣工検査合格後に、通知書等を金融機関等へ提出し、本ローン実行
- 3.■注意事項
- 3-1.金融機関での提出期限が大変厳しい為、余裕を持った準備・申請が必須
- 3-2.設計図書・仕様通りに施工し、検査を合格しないとローンが受けられない
- 4.不明な点はまずはお気軽に問合せから
フラット35では『適合証明書』が必要? 技術基準とは?
評価機関等にて検査に合格して初めて、フラット融資実行が可能
一般的な住宅ローンとは異なり、フラット35の場合は、一定の技術基準を満たした住宅であることが証明された『適合証明書』が必要になります。
後述しますが、設計図書の検査(審査)及び、2回の現場検査に合格して初めて、適合証明書が発行となります。
フラットの技術基準
フラット35の適合証明書を取得するには、まず、住宅金融支援機構が発行している『木造住宅工事仕様書』に沿った設計仕様にする必要があります。
下記のいずれかに該当する必要があります。
(1)準耐火・耐火(いわゆる省令準耐火仕様)
(2)(1)に該当しない 木造(耐久性)
仕様適合について、出版されている提出用の仕様書や、ウェブ版の入力頂く仕様書の添付、設計図書にて仕様書を兼ねる方法等、複数の方法があります。
標準仕様を1つ作っておくととても便利です。
フラット35『S』に求められる基準とは
フラット35Sとは、フラット35の仕様に加え、さらに定められた性能のいずれかが高い場合に金利優遇を受けられるものです。
省エネ性、耐震性、バリアフリー性、耐震・可変性の4つより、希望する性能と水準(金利A、B、ZEH等)を決め、準備を進めていきます。
※フラット35S『子育てプラス』や『地域移住支援型』等は、ローンの申込等にてご申告頂くため、
あくまでもこちらは性能に係る部分のみとなります。
適合証明書取得までの流れ
(1)図面段階にて、技術基準に沿った仕様決め、省エネ仕様検討を進める
プランニング段階にて、フラット取得を見据えた仕様を考えていくと後々が楽になります。
省エネや耐震性などにて進める際は、図面のベースがあらかた出来上がってきた段階で、計算も進めていきます。(基準達成・未達成の確認、仕様の再検討が重要です)
(2)評価機関へ『設計検査申請』
評価機関へ設計検査申請を行います。
性能評価やBELS評価書等と同じ図書審査になります。
後述の『中間検査』工期や『つなぎ融資 提出期限』など、注意しながら逆算してスケジュール立てて進めていきます。
(3)設計検査に合格し、『設計検査通知書』が交付→中間検査の予約が可能に
中間検査のタイミングですが、『屋根工事完了~外壁断熱工事が完了するまで』の間になります。
工程がタイトで検査が上記のタイミングになりづらい場合などは、評価機関へ事前に相談しておく必要があるでしょう。
※建築確認の中間検査や、瑕疵担保保険の躯体検査などと同時検査にすることもできます。
(4)竣工検査合格後に、通知書等を金融機関等へ提出し、本ローン実行
竣工検査を無事合格し、適合証明書発行後、金融機関へ提出して完了となります。
■注意事項
金融機関での提出期限が大変厳しい為、余裕を持った準備・申請が必須
本ローンだけでなく、つなぎ融資の機関からも『設計検査通知書』などの提出が求められることも多い
フラットの金融機関では、融資実行の為の適合証明書の提出期限が厳密に決められていることが多いようです。
また、つなぎ融資では、フラット適合証明の過程での『設計検査通知書』『中間検査通知書』を求めるケースが多く、こちらも期限遵守であることが多いです。
設計検査通知書→着工金、中間検査通知書→中間金 にあたります。
◆期限より逆算して、申請や工事等を進めておく必要があります。
設計図書・仕様通りに施工し、検査を合格しないとローンが受けられない
2024年10月からは『省令準耐火』の提出書類・設計図書への記載内容が増加 要注意!
既にお伝えの通り、フラット35では『現場検査』を伴いますので、
設計図書通りに施工されていないと書面発行NGとなります。
フラットの『省令準耐火仕様』自体に変更はありませんが、
設計図書への申告、現場検査での根拠写真提出等、審査が厳しくなっています。
堂々と提出し、合格通知が得られるよう、丁寧に準備しておくことが大切でしょう。
(画像引用元:住宅金融支援機構『「省令準耐火構造の住宅」の検査方法が変わります!』https://www.flat35.com/files/400371040.pdf)
不明な点はまずはお気軽に問合せから
自社で申請慣れされており、本業へのひっ迫がない際は安心ですが、
もし1年に数件にて、効率的に申請できず本業への影響もある際は、
外注というのも手かと思います。
そこまででなくとも、不明点などありましたら、
お気軽にお問合せ頂けましたら幸いです。