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【最新・実務者向け】子育てグリーン補助金『GX志向型住宅』はどのくらいの性能?仕様検討のポイントを解説します!

【最新・実務者向け】子育てグリーン補助金『GX志向型住宅』はどのくらいの性能?仕様検討のポイントを解説します!

2024年補正予算にて、『子育てグリーン住宅支援事業(補助金)』が確定し、GX志向型住宅という新たなグレードが誕生しました。
名前からしてレベルが高そうに感じると思いますが、どういった性能が必要で、どうすれば達成するかご存知でしょうか。
GX志向型住宅にするための仕様検討のコツや証明書等、実務者目線にてお役に立てるような内容をお伝えしていきます。

GX志向型住宅はどのくらいの性能?

省エネ性能のみが基準認定の対象

GX志向型住宅の基準ですが、次の3点と発表されています。

あくまで省エネ性能のみであり、耐震性や省令準耐火のような他の基準は含まれないようです。

(1)外皮:断熱等性能等級6以上 UA値0.46以下

(2)一次エネ:一次エネルギー消費削減率 35%以上(再エネ除く)

   ※再エネ含み100%以上

対象証明書について

どういったものが証明書になるの?という問い合わせを既に多くの御会社様より頂いております。

2025年1月20日時点ではまだ発表がありませんので、具体的な証明書がわかりませんが、

前もって計算し仕様確定のみ済ませておくのがベターではないかと思われます。

具体的な省エネ仕様検討のコツ『外皮性能』

断熱等性能等級6 断熱性能を強化し、付加断熱をせずに概ね達成レベル

ZEHの基準が断熱等級5であり、ZEHのワンランク上にあたる等級6ですが、

壁の外張付加断熱等をせずに達成する可能性が高いグレードの為、敷居としては高くないといえます。

(もちろん既存断熱材の性能や厚みを上げていく必要がある場合があります)

 

吹付とグラスウールの仕様例について、ご参考までに下記に示します。

階数や規模によっても性能値は変動しますので、あくまで一例として捉えて頂けたらと思います。

GX志向型住宅 仕様例のイメージ

サッシの大きさや数もシビアに関わってくる

シビアになる部分として、『サッシの大きさ・数』がございます。

ZEH水準の基準上の仕様からGX志向型住宅にアップグレードする際、

断熱性能の向上ではどうしても頭打ちになるものです。

 

その際にサッシの見直しをされるケースが多いようです。

プランニングや建築主のご要望上、大きめのサッシを希望されることも多いと思います。

そちらを優先される際は、サッシのグレードを上げる(ガス入り、トリプルガラスにする等)方向性となります。

相応のコストアップになるかと思いますので、設備(後述)含め、全体の掛かりまし額を出して進められるかの検討を頂けたらと思います。

バルコニー下(下屋天井)や外気に接する床、玄関土間等、細部の検討も行いたい

外皮部位による外皮面積の割合によって、全体のUA値への影響度合いが変わってきます。

外壁や屋根(天井)はUA値への影響が大きい部位になります。

一方、バルコニー下(下屋)や外気に接する床は比較的小さいことも多く、グレードアップしてもUA値が変わらないことも多い為、細かい箇所は性能を上げないでおくのも宜しいかもしれません。

小さめの玄関土間のイメージ

また、玄関土間は施工上無断熱にされるケースが多いですが、面積規模のわりに非常に熱損失が大きくなります。必要十分な面積とし、少しでも立上りや床面に施工されるだけでも性能としては上がるようです(計算方法などは都度評価機関等への確認が必要です)

具体的な省エネ仕様検討のコツ『一次エネルギー性能』

再エネ除き35%以上削減は意外とシビア

太陽光発電を含めずに35%以上の一次エネ削減は想像以上にシビアです。

一方、設備の種類が限られている為、一定以上のハイグレード品にする、細かい性能値を加味する等、行うべきグレードアップは決まってきます。(後述)

肝となるのは『給湯』『換気』

太陽光発電等を除く一次エネルギー消費量計算では、次の設備が対象になります。

暖冷房・換気(熱交換)・給湯・照明

エアコンは建築主支給のケースが多いことと、照明は伸びしろが大きくない為、

換気や給湯の性能向上が優先度としては高くなるようです。

 

給湯はエコキュート上位クラス、或いはハイブリッド給湯器いずれかになるケースが多いようです。

他の仕様を上げ、(性能値加味を含みます)、エコキュートにてまとめるケース、

建築主がガス希望で最初からハイブリッド給湯にされ、他の仕様をおさえるケース等、

バランスをみながら検討していくことが多い傾向です

換気は壁付式3種換気(パイプファン)でも性能値加味によって、ある程度の削減率になります。

また、ダクト式・ダクトレス熱交換は比消費電力は大きいですが、熱交換の効率まで加味しますと、パイプファン等よりも省エネ性能はより高くなります

熱交換換気のイメージ

熱交換によって、暖冷房で作られた空気が逃げづらく(外気も入りづらく)なりますので、冬の寒さや酷暑の時期などは、住まい手の強い味方になるといえるでしょう。

※画像引用元 株式会社MXエンジニアリング 『熱交換換気システムが必要か?1』https://mx-eng.jp/dannetsu_column/netsukokan/

ダクトレス熱交換換気に注意!

ダクトレス熱交換にて、2台1ペアで、一定時間おきに給気と排気が切り替わるものについては、

熱交換の性能値加味が出来ない(2025年1月20日時点)状況となっています。

 

※1台同時給排気完結型のダクトレス熱交換(Panasonic IAQ-V等)は、

熱交換まで性能を計算に入れられるため、有利側になっています。

細かい性能値加味を行い、エアコンは建築主と話し合って

一次エネルギー消費量計算では、その他にも細かい性能値加味が可能となっています。

・水栓の節湯機能算入(水優先吐水等)

・照明の調光、人感センサー等の算入

・エアコンの小能力時高効率型コンプレッサーの性能値加味 等

 

エアコンにつきましては、建築主支給ケースが多いことと、

2025年4月以降、(平屋かつ200㎡以下の住宅を除き)建築確認の完了検査に省エネが組み込まれ、

基準確認の根拠書類との整合確認が出てくるため、

自社ルールを設定しておくのが宜しいと思われます。

太陽光発電自体は容量を相対的に抑えられる

太陽光含む一次エネルギー消費削減率は100%以上のままですので、

相対的に太陽光発電の基準容量は下がることになります。

 

自家消費できなかった発電分については売電されますし、

太陽光パネルの処分等のコストも大きくなるとされていますので、

必要な分の容量を搭載されることが推奨されます。

まとめ

GX志向型住宅にするための設計上・省エネ計算上のポイントをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

一定以上の性能向上による掛かりましは生じるかと思いますが、

子育てグリーン補助金の補助額が160万円と、魅力的なものかと思います。

 

既にGX志向型達成の為の仕様検討をスタッフが多く担当しております。

計算に関することや証明書等、お気軽に問合せ頂けましたら幸いです。

お読みくださいましてありがとうございました。

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2024年11月22日、「令和6年度補正予算案」の閣議決定により「子育てエコホーム支援事業」の後継事業として『子育てグリーン住宅支援事業』が報道発表されました。新築+リフォームの総予算は2,250億円規模。子育てエコホーム支援事業に申請が間に合わなかった物件であっても、条件によっては申請も可能になる他、新たな申請枠が設けられました。前回の子育てエコホーム支援事業と何が違うのか。今回の事業の対象物件は?申請はいつから始まる?などなど、疑問点も多いと思いますのでまとめていこうと思います。(今回は新築を取り上げます)

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