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最終目標?!脱炭素におけるLCCM住宅とは?性能や認定基準・補助金事業についてまとめました!

最終目標?!脱炭素におけるLCCM住宅とは?性能や認定基準・補助金事業についてまとめました!

皆さんは「ZEH」ではなく「LCCM住宅」を聞いたことはあるでしょうか?LCCMは『ライフ(L)サイクル(C)カーボン(C)マイナス(M)住宅』の頭文字を取った略称です。今回のコラムでは次世代住宅である『LCCM住宅』にフォーカスし、そもそもLCCM住宅とはどんな家?ライフサイクルカーボンマイナス?ZEHよりすごい家?などの観点からできる限り分かりやすくまとめていこうと思います。エコな次世代住宅をお考えの方、必見です。

LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは?

『環境省』では、LCCM住宅について

 

“使用段階のCO2排出量に加え、資材製造や建設段階のCO2排出量の削減、建築物の長寿命化により、建築から解体・再利用等までのライフサイクル全体を通じてCO2排出量をマイナスにする住宅。”

 

このように定義されています。

ライフサイクルカーボンマイナスのイメージ

図を見ていただくとイメージがなんとなくできるかと思います。一件住宅を建てて処分するまでの過程(木材資源の採取から建設・居住・廃棄・解体まで(ライフサイクル))で排出されるCo2(カーボン)の排出総量に対し、エネルギーを創出し、CO2収支を徐々に(マイナス)にもっていこう』という住宅です。ではエネルギーはどうやって創出するのか。それは住宅設備の省エネ化、高断熱化、太陽光等による発電で賄います。

低炭素社会に向けた省エネ住宅の最終目標に位置付けられているのが『LCCM住宅』

図のように、LCCM住宅は、現時点で低炭素社会に向けた住宅における最終目標として位置付けられています。性能基準等は後述させていただきますので、まずは住宅業界の今後の流れを見ていきましょう。直近の目標としては2025年4月から、「省エネ基準適合」が義務化になります。そして現在一番耳にしたことのあるであろう「ZEH」も2030年には義務化される予定です。2030年も先ではなく、約5年後に迫っていますので、「今の内から最低でもZEH基準の住宅を建てよう」と言われる理由はここにあります。今、ZEH不適合の住宅を建てた場合、たったの約5年後には基準不適合住宅になってしまうので、住まい手にとっては一生に一度とも言われる住宅がすぐに基準不適合住宅になってしまうのは大変もったいないことです。そしてZEHの上にある最終目標として「LCCM住宅」があります。性能値がある一定の基準まで上がっている現在、差別化をするなら(LCCM住宅に取り組むなら)“今”がちょうどいいタイミングではないでしょうか?

ZEHと性能基準は何が違うのか?

⇧ZEHのイメージ

⇧LCCM住宅のイメージ

※例:6地域の場合

『LCCM住宅』も『ZEH』同様、太陽光発電等で電気を賄うので大枠はZEHと同じようなイメージを持った方もいるかと思います。

実際、「ZEH」と「LCCM住宅」の性能基準値は似ています。変わっている点としては「一次エネルギー消費量」の削減率が「ZEHの場合は20%以上」なのに対し、「LCCM住宅の場合は25%以上」と、少し基準値が厳しくなっている為、ZEHよりも一部高性能設備の搭載を検討することになりますが、それ以外は外皮性能(断熱等級など)などは、同じような性能基準になります。

大きく何が違うのかというと『太陽光発電量=パネルの容量』の搭載に対する考え方が違います。

ゼロエネはエネルギー収支0でOKなのに対して、LCCM住宅の場合はエネルギー収支を0以下(マイナス)までもっていく必要があります。その為、ZEH基準を満たす太陽光パネルの容量では基本的にLCCM住宅の基準は満たしません。LCCM住宅の場合は更に余剰に太陽光パネルの容量を増やす必要があります。

LCCM住宅は『住宅の品質確認』『ライフサイクル段階別の条件確認』を行う

性能基準に加え、LCCM住宅は『住宅の品質確認』と『ライフサイクル段階別の条件確認』を行います。

もう少し細かく言うと、「資源の採取」~「最終的な解体」に至るまでのライフサイクルの過程を鑑みた時に、どのくらいCO2が排出されるか、住宅の品質(耐震構造や劣化維持管理計画がしっかりとされているか)を確認します。

その理由はなぜか。それは、実際に計画されたライフサイクルで排出されるCO2の総量を試算し、劣化が少なく長く安全に暮らせる住宅の品質を確保することで、創出するエネルギー量がどのくらいあれば『ライフサイクルカーボンマイナスを実現できるか』を確認するためです。(=搭載が必要な太陽光パネルの容量が分かる。)

ちなみに、『住宅の品質確認』と『ライフサイクル段階別の条件確認』は以下の方法で確認します。

住宅の品質確認:『長期優良住宅の認定』もしくは『CASBEE 評価B+ランク以上の取得』

ライフサイクル段階別の条件確認:『LCCO2適合判定ツール』にてLCCO2の評価結果が0以下(マイナス)になること

LCCM住宅の認定取得はIBECにて取得可能

LCCM住宅の『性能基準達成』『住宅品質確保』『ライフサイクル段階別の条件確認達成』が出来たら、LCCM住宅の認定取得が出来ます。審査機関は「一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター 建築環境部 LCCM住宅認定事務局」が行っており、認定取得のための条件は以下の通りです。

■対象建築物
・新築の一戸建て専用住宅
・竣工後3年以内の一戸建て専用住宅

■LCCM適合判定ルート
LCCM適合判定ツール※を使用して計算された内容(結果)を基に、認定。

■CASBEE認証ルート
CASBEEの戸建評価認証を受け、認証書が交付されていることが前提。
CASBEE-戸建(新築)により評価し、戸建標準計算による評価のみを対象。
評価時期は、設計段階、竣工後入居前、入居後のいずれか。
評価書作成者は、IBECsに登録されているCASBEE-戸建評価員であること。

■認定料:33,000円/戸(税込)

参照:一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター LCCM住宅

⇧LCCM認定書のイメージ

最大140万円の補助金申請も可能!

LCCM住宅は『令和6年度 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)<LCCM戸建住宅部門>』という補助金事業に申請が可能です(少し長いですね笑)。補助額は最大で140万円/戸にもなります

まとめ

ZEHの次世代型であるLCCM住宅について、簡単ですがご紹介させていただきました。ZEHの性能を有しつつ、長期にわたって安全な暮らしの実現と光熱費削減、環境への配慮と、LCCM住宅は住む方と地球環境社会にも大きなメリットがあります。今の内から、長くにわたって資産価値のあるLCCM住宅を是非ご検討してみてはいかがでしょうか。

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