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福岡市 脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)とは?

福岡市 脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)とは?

福岡市では現在、市内のZEBおよびZEH-Mの普及を促進し、建築物分野におけるCO2排出量の削減、脱炭素化の推進をしていこうという取り組みが加速しています。ただ、推進するにあたり、設計費用のコストアップが懸念されるため、ZEB・ZEH-M の新築・増築・改築・改修に必要な掛かり増し設計費用を支援するために、「脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)」を設立して、取り組みを支援しています。本コラムではそんな「脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)」についてまとめていこうと思います。

ZEH-M・ZEB補助金

設計費相当への定額補助

脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)は、ZEBおよびZEH-Mの新築等に必要な「掛かり増しの設計費用」に対して定額で助成する制度です 。ここでいう「掛かり増しの設計費用」とは、ZEBやZEH-Mの実現のために必要になる「通常の設計費」から、掛かり増しとなる『設計検討』、『省エネ計算』、『BELS評価書の取得』にかかる手数料になります 。

また、物件の仕様により補助金額は変動し、建物の種類(ZEBまたはZEH-M)と延べ面積に応じて、下限60万円から上限300万円の範囲で助成金額が設定されています 。

種類と延べ面積に応じて設定された補助金額の一覧

補助要件、対象額

福岡市の「脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)」で対象となるのは、福岡市内に延べ面積200㎡以上のZEBやZEH-Mの新築等を行う建築主などが対象になります。また、以下の全ての要件を満たす必要があります。

①法人(国等を除く)または個人
②福岡市税に係る徴収金(福岡市税および延滞金等)に滞納がないこと
③申請者が暴力団と密接な関係を有するものではないこと。(法人の場合は役員を含む)
④ZEBまたはZEH-Mの掛かり増しの設計費用を、福岡市内に事務所を置く建築士事務所または建築士に支払うこと。
⑤ZEB:『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Readyを満たす建築物(ZEB Orientedは対象外)。延べ面積300平方メートル以上
⑥ZEH-M:『ZEH-M』、Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedを満たす集合住宅。延べ面積200平方メートル以上

ZEBとZEH-Mで延べ面積の基準数値がちがうため、要確認ください!

申請の流れ

申請における注意点としては

①「補助金申請の受付期日」が早期終了となる可能性がある為、ZEB/ZEH-M化の仕様が固まったら、なるべく早めに申請を行うこと

②BELS評価書の取得は、必ず補助金申請後の日付で行う事補助金申請より先にBELS取得を行った場合、その物件は補助対象外となります

③BELS評価書の取得後、完了届の最終期日までに完了報告を行う

以上の3点が特に注意しないといけない項目になります。

国の補助金等との併用について

福岡市の補助金が『地方自治体の財源』だということが前提ではありますが、その場合は「国庫でなければ併用は可能」であるため、国庫補助金との併用は基本的には可能であると考えられます。また、国庫補助金との併用においてポイントとなるのが「補助対象経費」が重複していないかどうかです 。今回の福岡市の補助金事業の補助対象経費は「掛かり増しの設計費用」(設計検討、省エネ計算、BELS取得費)になります 。併用しようと考えている国庫の補助金が建設工事費や設備費に対しての補助事業である場合などは、対象経費が重複しない為、併用できる可能性が高いです。 ですが、併用したい補助金事業ごとでやはり条件は変わってくることが想定できますので、活用したい国庫の補助金との併用を検討する際は、一度、福岡市環境局脱炭素社会推進課(電話番号:092-711-4282)に確認を取るのが確実かと思います。

 

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まとめ

今回、福岡市の「脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助)」をまとめていきました。住宅のみならず、共同住宅や非住宅もZEHを目指していく活動は今後も注目されていくでしょう。令和5年度に始まった本制度は初年度から福岡市内でも活発な動きがみられ、初年度ながら22件のZEB・ZEH-Mが申請実績となっています。本事業は令和5年度から今年で3か年目と継続的な予算が組まれていることからも、今後も周知・注目されていくと考えられますね。戸建に比べて少し複雑な申請となります『共同住宅』『非住宅』ですが、少しでも恩恵ができることで、省エネ化、脱炭素実現の貢献につながっていくと思います。お読みいただきまして、ありがとうございました。

参考【福岡市環境局HP(脱炭素建築物誘導支援事業(ZEB、ZEH-M設計補助))】

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