COLUMN
お役立ちコラム
2025/06/16
ZEB認証とは?ZEHとの違いや評価基準、取得方法を解説します。

ZEB(ゼブ)についてどういったものかご存知ですか?
調べてもよくわからない、どう計算して良いのかも良く分からない方向けに、概要をわかりやすくまとめさせて頂きます。
新築はもちろんのこと、既存建築物のZEB改修も注目されつつあります。
参考にして頂けたら幸いです。
- 目次
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- 1.ZEBとは?
- 1-1.ZEH、ZEH-Mとの違い
- 1-2.ZEBの種類と評価基準(外皮性能・BEI)
- 2.ZEB認証(BELS評価書取得)の流れ
- 2-1.ZEB達成のための仕様検討(⇔設備設計)
- 2-2.本計算・申請書類作成~BELS申請・評価書取得
- 3.ZEB達成 ~補足~
- 3-1.空調(エアコン等)の割合が大きい
- 3-2.未評価技術とは?
- 4.まとめ
ZEBとは?

ZEB(ゼブ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングの略であり、
建物内にて消費した電力等の一次エネルギー消費を太陽光等にてゼロになるように設計された非住宅です。
外皮性能(断熱材等)はもちろんのこと、省エネ性能の高い設備の使用、設備数、そして創エネと、省エネ基準適合とは異なり仕様の検討を行わなくてはなりません。
ZEH、ZEH-Mとの違い
ZEH(ゼッチ)は、ZEBの住宅版、ZEH-M(ゼッチマンション)はZEHの共同住宅版を示します。
※国が決めているZEH水準等と異なり、主にZEH補助金等で使われている省エネ性能基準です。
省エネ性能は概ね共通ですが、住宅・非住宅とでは計算方法が異なる為注意が必要でしょう。
木造2階建住宅と概ね類似の間取りであっても、用途が住宅以外であれば、非住宅の計算を行い、ZEBの検討を進めます。
ZEHとZEBでは補助金も異なり、要件等も変わってくるため(建て主が住まい手か、ビルのオーナーか 等)注意が必要です。
ZEH-Mについて知りたい方へは、下記コラムがおすすめです。

【2025年最新】ZEH-M(集合ZEH)とは?賃貸も対象? 基準や認証取得、該当補助金を解説。
昨今、大手ハウスメーカーより『ZEH-M分譲』の発表があり、
戸建にとどまらず共同住宅(集合住宅)等においても省エネ高性能化が進んでいます。
ZEH-Mの性能や認定、住戸・住棟評価、活用可能な補助金、ローン控除等の税制優遇など、わかりやすくお伝えしていきます。
ZEBの種類と評価基準(外皮性能・BEI)
ZEBには、ZEHと同じように複数の指標があり、そちらを紹介いたします。
なお、ZEB判定では外皮性能(BPI:PAL*による年間熱負荷の設計値÷基準値)は含まれず、
単純にBEI(一次エネルギー消費量の設計値÷基準値 ※その他設備を除きます)での判断となります。
ZEB・Nearly ZEB・ZEB Ready

上の表に示しますように、一次エネルギー消費削減率によって基準が定められています。
太陽光発電については、敷地内設置に限定、売電分も加味して良いとされていますが、BELS申請上は少しでも売電があると算入NG(全て自家消費とすること)とされています。
【注意】延床面積が10,000㎡以上であり、複数用途の際は別の要件があるため確認が必要です。
ZEB Oriented
延床面積10,000㎡以上の指定された用途に応じて、基準値が定められています。
事務所や学校、工場等は、再エネ除く一次エネ削減率が40%以上、
ホテル、病院、飲食店、集会所等は、同削減率が30%以上とされています。
※複数用途の際は、本コラムでは割愛いたします。
※注意 『未評価技術』の算入をするよう公表されています。(後述)
ZEB認証(BELS評価書取得)の流れ
ZEB達成のための仕様検討(⇔設備設計)

非住宅の省エネ計算方法は、『標準入力法』『モデル建物法(通常版)』『モデル建物法(小規模版)』の3つがありますが、仕様に対し最も有利側での計算となる標準入力法が一般的に使われています。
※モデル建物法にてBELS申請は可能ですが、不利側となりその分仕様向上を求められる事がございます。
※標準入力法はいわば『詳細計算』であり、相応の費用や工数が生じます。
断熱材やサッシの検討の他、メインとなるのは『設備』です。
非住宅の計算上、該当設備の消費電力×台数等を細かく入れていくことになるため、
設備設計事務所様との調整に苦戦することもあるようです(注意)。
モデル建物法の計算方法について気になる方へ
モデル建物法計算等、ZEBより省エネ適判向けの計算方法について知りたい方へは、
下記コラムがおすすめです。(ご参考までに)

【非住宅】モデル建物法とは?外注すべき?省エネ計算方法や複数用途の場合等を解説。
2025年4月より、原則全ての非住宅にて『省エネ基準適合義務化』がスタートします。
そのうち一定以上の規模の建築物では、省エネ適判などの審査対象になりますので、
省エネ計算・適合確認、適判を突破できないと確認済証が交付されなくなることになります。
非住宅の省エネ計算では『モデル建物法』が専ら使われると思いますので、その要点を解説していきます。
本計算・申請書類作成~BELS申請・評価書取得
仕様が確定してからはBELS申請図書を揃え、評価機関へ申請します。
質疑によって多少性能値が変動することも想定されるため、質疑完了まで油断はできないでしょう。
※質疑完了後の変更は、変更申請にて別途費用が生じる可能性があります。
質疑回答までに、仕様や目的とされる補助金等の要件などと含め最終の確認を行う必要があるでしょう(ZEBの種類等)
ZEB達成 ~補足~
空調(エアコン等)の割合が大きい

省エネルギーの計算上、各仕様の中でもエアコンの及ぼす影響が非常に大きいとされています。
照明や換気等も勿論重要ですが、まず押さえるべきはエアコンになります。
また、エアコンは種類も複数あるため、仕様選定に注意が必要です。
未評価技術とは?
まとめ
ZEHの非住宅版ともいえます、『ZEB』の概要についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
こちらは基準値等の最低限の内容であり、実際はZEBの認証書(BELS評価書)をご提出される目的や用途に応じ、補助金窓口への確認や、計算と並行したZEB検討など、一つ一つ確認しながら進めていくことになります。
今後の参考にして頂けたら幸いです。
お読み頂きまして、ありがとうございました。