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ZEH以上の省エネ性能を目指そう!

ZEH以上の省エネ性能を目指そう!

2025年に省エネ基準適合義務化となり、2030年までにZEH(水準)に引き上げられようとしています。
数年前まではZEHが補助金対象でしたが、もうZEHが当たり前、ZEH以上を目指す住宅会社が増えていることはおわかりかと思います。
ZEH以上の性能を目指す上で、どういったグレードがあるのか、どういう所を工夫していけば良いのかについて、お伝えしていきます。

ZEHの性能とは?

ZEHのイメージ

大きく分けて(1)外皮性能 (2)一次エネルギー性能 の2つの基準を満たす必要があります。

具体的には次の通りです。  ※6地域の例

(1)外皮性能 

UA値(外皮平均熱貫流率) :0.60以下 (2025年4月施行の省エネ基準値 0.87以下)

(2)一次エネルギー性能

太陽光除く一次エネルギー消費量削減率:20%以上

太陽光含む一次エネルギー消費量削減率:100%以上

太陽光等含め、エネルギー使用量が発電量を上回る(100%以上エネルギー消費量削減)となりますが、

断熱性能や、太陽光除く省エネ性能も、一定以上の基準を満たしていないといけません。

~ZEHとZEH水準は違う?~

ZEH水準は、ZEHの基準から『太陽光発電設備等を除いた』基準になります。

したがって、UA値と太陽光発電等を除く一次エネルギー削減率はZEHと同じです。

2030年までに省エネ義務基準が引上げされる見込みですが、その際、こちらの基準になります。

ZEH以上の外皮グレード(等級、HEAT20)

【外皮】断熱等性能等級・HEAT20グレード

ZEH以上の性能を目指すにあたって、必ず知っておかなくてはならないのは、

断熱等級(断熱等性能等級)とHEAT20のグレード、基準値です。

6地域(東京等)を中心としました、基準値例を次に示します。

UA値断熱等性能等級HEAT20            
0.87等級4(省エネ基準)
0.60等級5(ZEH基準)
0.56G1グレード
0.46等級6G2グレード
0.26等級7G3グレード

地域によって等級6,7とG2-3グレードの優劣が変わりますが、概ね上記の通りです。

ZEH基準が当たり前になり、G1グレード・断熱等級6がZEHの次なるスタンダードに向かっているといえるでしょう。

【一次エネ】一次エネルギー消費量等級

一次エネルギー消費量ですが、ZEH基準(20%以上)=等級6(最高等級)になります。

ZEH+

ZEHの上位グレードに『ZEH+』というものがありますが、

あくまで、環境省や経産省が行っていますZEH補助金のグレードであり、国が定める等級などではありません。

性能をワンランク、ツーランク上げることで、掛かり増しを考慮し、国より補助を受けることができます。

※下表は、R6年度環境省・経産省ZEH補助金の際の、補助額と性能です。

(通常ZEHは55万円/戸です)

補助額UA値一次エネ削減(1)一次エネ削減(2)その他要件
100万円/戸※125%以上100%以上※1
110万円/戸0.46以下30%以上100%以上※2
125万円/戸0.46以下30%以上100%以上※3

補足

※1 UA:0.50以下 高度HEMS(指定の性能要件を満たす) V2H設備

上記いずれか2つ以上。 V2H設備=電気自動車の充電もしくは充放電設備

※2 高度HEMS(同上) V2H設備等 いずれか

※3 高度HEMS(同上) V2H設備等 両方

省エネ性能を上げていく上での注意点

省エネ性能を高めていくには、ただ断熱材の性能を上げて厚みを増やせば良い、というわけではありません。

コツがありますので、建築主のニーズとのバランスをみながら、程よく取り込んでいくことが大切でしょう。

『外皮』サッシや土間床の広さ

土間床のイメージ

サッシ(外部サッシ)や、床断熱における玄関土間の大きさは、相対的に断熱性能が低い部位になりますので、大きければ大きいほど、省エネ性能が下がります。

対策として、次のような方法が挙げられます。

(1)サッシ面積をおさえるため、不要と思われる箇所へサッシを検討しない

   南面へ大きく面積を取り、夏場の日差しがきつい東西面、北面のサッシ面積をおさえる

(2)玄関土間の面積を小さくする

   玄関土間にも断熱施工できるように検討する(断熱材有無のみで大きく変わります)

『一次エネ』吹抜け・小屋裏・ロフトの扱い

ロフトのイメージ

吹抜けや小屋裏、ロフトなど、楽しく豊かな住まいへの彩りになることは間違いないでしょう。

しかしながら、一次エネルギー消費量計算上、床面積へ算入しないといけない場合がありますので、把握しておく必要があります。

床面積算入の原則

(1)吹き抜け部分

下階FL~4,200m以上の範囲は、床面積へ算入

(2)小屋裏・ロフトなど

CH1,400以下かつ、下階や隣接空間と『同一空間』の場合、床面積へ算入

※申請時に質疑を受けると想定外の不利側に。注意が必要です。

『一次エネ』床暖房による省エネ性能への影響

一次エネルギー消費量計算へ算入の設備ですが、現在主に使われているものの多くは省エネのものとなっています。

しかしながら、床暖房のみは、一次エネルギー消費量を大きく引き上げる可能性が高く、注意が必要です。

電気式より温水式床暖房のほうが省エネ性能は少し高く、

おすすめは『ハイブリッド給湯器と熱源一体型の温水床暖房』です。

▲こちらですと、省エネ性能をそこまで落とさず、進められるでしょう。

 

※床暖房は敷設率(床面積に対してどれだけ敷設されたか)を計算に算入できますが、

有利にするために敷設面積をコントロールしますと、非現実的になる可能性が高い為、推奨できません。

おすすめの省エネ証明書とは?

計算結果を建築主の方へ提示するのも良いですが、やはり第三者が評価した証明書が喜ばれるものです。

目的に応じて、使い分けることを推奨します。(エコプラスでは、下記全ての証明書に対応しています)

(1)省エネ性能をわかりやすく示したい、太陽光発電結果を載せたい

→BELS評価書

(2)省エネの他、耐震等級や別の等級も取得し、住宅性能を広くPRしたい

→設計住宅性能評価書

(3)長く住める家を届けたい!

→長期優良住宅(認定通知書)

 

他にも様々な省エネ証明書がありますので、

気になった際は、お気軽に問合せ下さい。

まとめ

ZEHと、ZEH以上の省エネ性能についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

家電同様、住宅も、省エネ性能で選ばれる時代になってきています。

むしろ、さらにその動きは進むでしょう。

 

省エネ性能を上げることで、建築主も快適で健康的な生活を送ることができ、医療費などを減らすことができる可能性が高いです。

共に良い住まいづくりに進んで行けましたら幸いです。

お読み頂きましてありがとうございました。

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