COLUMN
お役立ちコラム
2024/11/13
【最新】2025年4月からの省エネ基準適合義務化は大丈夫ですか? Vol.3『外皮計算の方法』
2025年4月以降着工の物件にて、省エネ適合性判定が必要となる(仕様基準ができない)物件につきましては、標準計算(いわゆる外皮計算・一次エネルギー消費量計算)が必要になります。
外皮計算(標準計算)の方法について概要を知りたい、自社で行うか外注すべきかについての判断材料を知りたいといった方向けの記事を書いていきます。
外皮計算の方法を改めて解説
外皮計算についてざっくり申し上げますと、
各部位の外皮面積×熱貫流率×α=総熱損失量
総熱損失量÷総外皮面積=UA値 となります。
◆各手順についてお伝えしていきます。
(1)外皮面積を拾う
各部位ごとに外皮面積を求める(天井、壁、床、サッシ、玄関ドアなど)
外皮面積を拾っていきます。
断熱部位や、断熱材の位置(天井か屋根か等)によって拾い方も変わってきますので、
国交省発行の省エネ講習資料などを見ながら注意して進めていく必要があるでしょう。
一次エネルギー消費量計算を行う場合は、用途別床面積も求めておく
外皮計算のみの際は、居室の区画などはそこまで気にする必要がありませんが、
一次エネルギー消費量を行う際は、LDK(主たる居室)、寝室等(その他の居室)、トイレ等(非居室)の床面積をあわせて拾っておくと、後々楽になります。
◆小屋裏や吹抜け、ロフト、スキップフロアなど、外皮計算上の扱いと一次エネルギー消費量計算上の床面積の扱いが複雑になるケースがあり、所要時間がどのくらいかかりそうかなどの事前確認が必要です。
(2)部位ごとに熱貫流率や日射熱取得率を求めておく
断熱材の施工箇所や工法などで、熱橋比率などが変わるので注意!
天井(屋根)や外壁、バルコニー下、床、サッシなど、各部位の熱貫流率などを求めておきます。
工法などによって熱橋比率が異なる為、注意が必要です。
(鉄骨造やRC造は、木造とはまた異なる考え方になるため、マニュアルにて解決できない場合は、国の機関への相談が必要になる場合があります)
※日射熱取得率はサッシ以外の部位も関わりますので漏れがないようにします。
(画像引用元)国土交通省 省エネ評価方法テキスト2024 p.2-023https://www.mlit.go.jp/common/001627022.pdf
(3)(1)(2)より、UA値・ηAC値を算出
方位や温度差係数など、考慮しないといけない項目にも注意が必要
多くの場合は計算ソフトが使われるかと思いますが、
最低限理論として、方位角度や、温度差係数、表面熱伝達抵抗なども理解しておく必要があるでしょう。
事務所併用住宅の場合の扱いなども注意が必要です。
実際に計算してみると・・・(悩み)
悩み(1)性能評価やBELS等の申請をして、たくさん質疑が来てしまった
計算経験が浅い、計算頻度が少ない場合は、どうしても計算ルールとは異なるやり方になってしまう傾向にあるようです。
滝のような質疑が来てしまい、本来やるべきことを一時的におろそかにしないといけない、といったこともあります。
悩み(2)計算頻度が少なく、毎回計算マニュアルを読み返すため時間がかかってしまう
住宅の仕様はともかく間取りなどは多彩かと思いますので、
こういった場合は? と度々手が止まり、マニュアルを熟読して解決、の繰り返しになることも多いようです。
上記により確かに計算スキルがつきますが、本業以外の場合は、本業の経験値を高めたほうが宜しいでしょう。
悩み(3)目標の基準未達成になり、基準達成のためのやり直しが面倒
ZEHや断熱等級6、HEAT20など、達成したいグレードがあると思いますが、
達成できない場合、不慣れな中何度も再計算を繰り返さないといけなくなります。
外皮計算では、効果的に性能を上げるコツが存在しますが、手探りですとそこになかなか気づかずに苦しむことも多いでしょう。
専門家や外注サービスにおまかせするのも手です。
本業に時間を割きたい、計算をしている場合ではない、という場合はぜひ、専門家や外注サービスを使っていくことを推奨します。
ECOPLUSだけにとどまらず、御社にぴったりの外注先があると思います。
ECOPLUSでは、計算担当者1人あたり、最低でも年60件は計算しており、豊富な経験とノウハウがありますので、スムーズに納品まで進めることができます。
他にもお役立ちコラムを書いていますので、ぜひ少しでも参考にして頂けましたら幸いです。
お読みいただきありがとうございました。